大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)1062 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人坂井金藏の上告趣意について。

所論は、違憲をいう点もあるが、結局原判決の單なる法令の解釋を非難するか又

は原判決が本件第一審判決の判示第二の取引の目的物を軽油と認定した事実認定を

非難するに帰し刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして、原審弁護人の所論の

控訴趣意に對し原判決が所論摘示のごとく結局において「凡そ軽油たる以上その品

質の如何に拘らず全て右石油製品配給規則の適用あるものと言わねばならない」と

判示したことは、所論のとおりである。従つて、その法令の解釋は、論旨に對する

説示として適切であるか否かは格別、それ自体としては当裁判所においても正当で

あるとして是認することができる。しかのみならず、原判決は、右の判示に續いて、

「原判決(第一審判決)舉示の証拠によれば、本件の油が軽油であること明瞭であ

るから被告人の原判示(第一審判決の判示)第二の所為に對し該当法条を適用処断

した原審(第一審)の措置は正当である云々」と判示して原審弁護人の控訴趣意第

二点を排斥しているのである。そして、本件第一審公判では、被告人は、本件第二

事実の物件が軽油であることを自認し、たゞその取引が譲受ではなく売買の仲介斡

旋であると主張したに過ぎないものであること(弁護人もまた軽油であることを認

め、たゞ被告人が統制外の品物と信じたものと主張した)記録上明瞭である。従つ

て、公判廷における被告人の供述の外証人Aの供述により判示軽油の譲受を認定し

た第一審判決の証拠により「本件の油が軽油であること明瞭である」と判示した原

判決の認定は、当裁判所においても是認できるから、原判決には、法令違反又は事

実誤認を認めることはできない。それ故、本件については、刑訴四一一条を適用す

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べきものとも思われない。

よつて、同四一四条、四〇四条、三九六条、一八一条に従い、裁判官全員一致の

意見で、主文のとおり判決する。

檢察官十藏寺宗雄出席

昭和二九年二月二五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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